MPI Report006

Mind Processor ProgramのTechnologyⅠ

社内向けVRテクノロジー体験会レポート前半

報告者

浅子雄一郎 七沢智樹

報告日

2019/2/25


概要

Mind Processor ProgramにおけるVRテクノロジーの研究開発にあたり2019年2月14日と22日の両日に渡って、弊社施設にて社内向けのVRテクノロジー体験会が行われた。

本稿では、Mind Processor Programについて概観するとともに両日の体験会の内容及び体験者から得たアンケートの解析結果を報告する。


目次

1. Mind Processor Programについて

2. MPP0- 受精から誕生までの記憶の最適化

(自己誕生)

3. MPP1- 脳/神経回路の最適化

(自己存在肯定)

4. MPP2- 情動/感情/情緒プロセスの最適化

(他者存在肯定・他者存在不確定性)

1. Mind Processor Programについて


Mind Processor Programとは、人を構成するすべての要素を網羅し、それらを0~5段階の階層を成す情報処理のプロセッサーと定義。意識と情報のデジタルな側面を応用したテクノロジーによる情報圧によって、それぞれの階層における情報処理の回路を最適化するプログラムである。

受精から誕生にあたる段階をMind Processor 0(以下MPP0)とし、自己の身体回路から、自己との関係性の回路(情動系の神経回路や、心を作るプロセッサーの回路、人と人の結びつきの回路etc.)まで、これらの情報処理の回路を最適化するテクノロジーを、Mind Processor Program(以下MPP)として提供する。

以下、MPP0~MPP5の内容を概観しながら、それぞれに対応したテクノロジーの体験会の模様と参加者のアンケートの解析を試みることで、Mind Processor Programの有効性について考察する。

2. MPP0- 受精から誕生までの記憶の最適化(自己誕生)


生命の「誕生」にあたるMPP0は、受精卵から細胞が形成され、生まれるまでの段階と定義する。身体の形成は、この受精卵という「点」を細胞分裂の起点として、身体の形成へと展開する。その過程は、まさに生命進化のプロセスをたどるわけであるが、これは、さまざまな記憶が形成されるプロセスでもある。

そして、出生時のトラウマや、スピリチュアルな世界でいう過去生のトラウマといわれるもの、また先祖から受けつぐ精神DNAの問題もまた、記憶という層をなす。

MPP0では、私という「存在」または「誕生」に関するプロセスの最適化をはかるが、それはつまるところ、このプロセスにまつわる「記憶」の最適化である。

このようなバーストラウマや、出生にまつわるカルマを解消するには、自分という存在の誕生に立ち返る必要がある。すなわち、前述の受精卵の「点」に象徴されるように、私たちの存在とは、宇宙のたった一つの「点」としての存在であるので、その「点」に立ち戻る体験は、「点」以降のすべての記憶に先行する。

それによって、通常は長い時間を要する誕生にまつわるトラウマがクリアになり、それによって自分という存在に対する確信を持つことが、このMPP0で提供するテクノロジーの目的である。

具体的には、「オキュラスGO」を使ったVRを体験する。映像は、祝殿から宇宙へ旅立ち、最後にまた祝殿に戻ってくる動画が映される。この映像の意図するものは、一度宇宙に行って死をむかえ、祝殿に戻ってくることで生まれるというものである。

人は日常生活において、他者という存在やこれに付随するコミュニケーションがあり、また自然であれスマートフォンであれ、何かしらの環境に身を置いているだろう。そのような中にあって、MPP0のVR映像では宇宙の映像を通して、自分の世界に入り込む体験をする。

通常、このように一人で宇宙空間に入ることはない。宇宙にたった一つの点として存在している体験に没入することで、自分自身の誕生の瞬間に立ち返るのである。

オキュラスGOでの体験。体験者は、宇宙空間を一人で旅する。

MPP0のテクノロジーを体験した参加者からは、「意識の広がり」「普通にはない視点」などを「誰でも」体験できること。また、それによって体験後に何かしらの余韻や持続感、根源的な気づきを体験者にもたらしていることが観察できた。

以下、MPP0のテクノロジー体験者から得た主要な感想である。


広がった意識そのまま維持している感覚を感じる。

・瞑想レベルに関係なく、誰でも意識の拡張を即経験できるコンテンツだと感じた。

・宇宙にワープした瞬間に何となくですが、身体がフワッと浮いた感覚になりました。

・どんどん意識が広がっていき、最後に鎮魂石に戻った瞬間が心に残った。

最初と最後に祝殿に戻ってきたときの静寂がたまらないです。

・「存在」を感じることができた。

・鎮魂石に地球が入り込む映像で、鎮魂の意味が感覚的に分かった。


「記憶」というものは、その性質を一つの「偏り」として捉えることができるが、宇宙の映像を通して意識の広がりを感覚として感じたという声が多かったことは、これが意識の偏りを解消する形で、記憶(という偏り。または記憶がもたらす意識の偏り)の最適化に寄与するものとして考えることができる。

3. MPP1- 脳/神経回路の最適化(自己存在肯定)


MPP1は、誕生後に外界を認識する過程で発生するものにあたる。つまり、脳の発達と身体情報を最適に捉えるための回路の形成であり、五感(視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚)のプロセッサーの形成による、情報処理機能としての身体である。このMPP1のはたらきによって、人間は外界と自在にコミュニケーションをすることができる。

このような身体の成長段階では、様々な神経回路が発達する。利き手ができたり、効き目ができたり、外界の情報に対して様々な情動が出る。

MPP0では記憶という偏りを扱ったが、ここでは、その脳内神経回路や身体神経回路を形成するプロセスでできた偏り(回路の詰まり)をゼロリセットする。それによって、人間が本来持っている意識の角運動量の力を使って、変性意識状でハイパフォーマンスが発動するようにするというのが、Mind Processor Programの目的となる。

したがって、このMPP1を最適化するにあたっては、脳や全身の神経回路、ニューロンのはたらきにアプローチする。そのための方法として、弊社では「振動」と「情報」を採用している。

人間の心身は、「骨振動」によって全身に振動が届けられることでリラックスすることが「ボーンコンダクション理論」で明らかになっており、多くの治療家が骨振動を取り入れることで、治療が効率化すると述べている。

MPP1のテクノロジーでは、振動によって身体の神経の状態をリセットし、ここに神経を最適化する情報を送り神経プログラムの最適化をおこなう。とくに身体の構造は、頭蓋骨と、これを支える背骨と仙骨がつながっている構造になっている。つまり、頭蓋骨と仙骨の骨のバランスを調整することで、身体の調子を整えるというアプローチをとる。

具体的に、下からはLOGOSTON Surf Bedで仙骨を、上からは開発中の結晶化チタンボウルを使った振動装置を使って、頭蓋骨を振動させる。この振動源として、ロゴストロンの周波数情報を含んだTAKIONやSIZIMAなどの音源を使用している。

このテクノロジーの体験者からは、「座った瞬間」「1分くらいで」「強制的に」といった表現が目立ち、身体感覚としての振動をともなったアプローチの体感の強さや早さを観察することができた。

この条件では、振動が身体回路への刺激の因子となっているが、裏を返せば、それだけ身体回路から受ける影響は大きいともいえるだろう。


また、振動によって身体回路の詰まりや滞りを解消するなかで、「集中度や没入感が違った」「雑念が消えた」という感想が聞かれたことは、たとえばメディテーションにおいて集中や没入感を妨げているものや雑念といったものは、身体回路の詰まりといった異常から生じているという推測が立つ。これは、身体の調整からメディテーションへと至るヨガの階梯の歴史を見ても、十分に考えられることであろう。


以下、MPP1のテクノロジー体験者から得た主要な感想である。


・空気、大気と一体化する感じがした。自分の質量が軽くなり、全てと一体であるような心地よさを感じた。

心が鎮まり、鎮魂状態に入りやすかった。

次第に振動が自然になり、無心になる感覚がありました。

・装置そのものが鎮魂のための空間を作り上げているかのように、座った瞬間に集中しました。

・振動装置だけのときよりも(上下からの振動のほうが)頭の雑念がなくなった。

4. MPP2- 情動/感情/情緒プロセスの最適化(他者存在肯定・他者存在不確定性)


脳の回路や五感などの情報処理機能としての身体が完成すると、この機械装置としての脳であり、身体が実際に外界と接することで生まれる、知覚、認知、認識、情動、感情、情緒等が、次のMPP2にあたる。とくに、外界の情報を内側へ取り込む回路として、弊社では「情緒」を最終解として提示し、MPP2を「情緒プロセッサー(情緒プラットフォーム)」としている。

様々な外界の情報が五感から入ることで、それらに応じた様々な感情、情動、情緒が広がり続ける。そして、この外界に存在するものの中で最も影響が大きい存在が、「他者」である。

つまり、MPP2における情緒プロセッサーを最適化するにあたっては、これに最も影響を与えていると考えられる他者との関係性や、コミュニケーションを最適化することが必要になる。

そこで、MPP2のテクノロジーとして、iPhoneのFacetimeの機能と一眼VRヘッドセットを使った「視点交換アクティビティ」をおこなう。

参加者は、ランダムに置かれたヘッドセットを手に取り、その映像にはペアとして誰かの視点が映っている。これを装着して、まずは映像に映っている視点は誰の視点なのかということを、映像やコミュニケーションをたよりに当てるということをおこなう。

自分とペアになっている人がわかったところで、そのペアに近づいて握手をしたり、ペアと背中合わせになったり、自分の映像に映った他者視点を使いながら、特定の人に物を渡すミッションを与えられた人にアドバイスするなどのアクティビティをおこなった。

七沢智樹研究開発事業部長によるこのプログラムの意義と行い方の説明。

真ん中にあるハコスコ社の一眼ヘッドセットから、好きなもの(誰かの視点)を選んで手に取る。

自分の映像に映っている視点は誰の視点なのかを探す。

コミュニケーションを取り合うことが大切。

無事にペアが見つかりました!握手をして完了

ペアの相手と協力して他者視点でNigiを相手に渡す

これもペアとのコミュニケーションがポイント

ペアと協力して真ん中にいる第三者に近づいて「パンチ!」(右側の方のパンチは大きくハズレている・・)

このアクティビティでは、他者の視点を自分の力で変えることはできず、他者の視点に従う以外の選択肢はないことを体験する。言い換えれば、「他者を100%尊重しないといけない状況」へと置かれる。それによって自ずと他者理解が起こり、今まで獲得したことがなかった他者視点を獲得することになる。

また、言葉でコミュニケーションを取らないと、自分のヘッドセットに映っている視点が誰の視点であるのかが分からないので、必然的にコミュニケーションすることが促される。つまり、MPP0~MPP1までは自己だけの世界であったが、MPP2では他者が登場すると同時に、コミュニケーションの必要性と必然性を体験する。

このような状況でペアになってアクティビティを行うことで、でこぼこペアになったり、逆に連携の取れたペアになったり、普段仕事で一緒になっているペアと行うと、仕事で起きているコミュニケーションエラーが出るなど、仕事における人間関係の回路の最適化に役立つことがわかる。

また、人は他者が何を考えているかを気にするものであるが、通常他者は何を考えているかわからないものである。このような、絶対得られない他者の視点というものを体感すると、他者視点というものがなんとなくわかるようになる。それは、安心な場が創造されるということであり、他者との関係性のリセットを意味する。これが、MPP2における最適化である。

このような、MPP2における「他者」「コミュニケーション」というキーワードが象徴するように、このテクノロジーの体験者からは、「コミュニケーション」にまつわる言及や、他者を通したコミュニケーションの客観視、またそのコミュニケーションに関わる自己や他者への客観視にまつわる感想が目立った。


自我感覚を超えた視点を体感できた。

他者とのコミュニケーションがいかに重要かということを凝縮された時間の中で体験できた。

コミュニケーション能力と空間認識力が試されるワークだなと思いました。

・他人の視点の予測不可能な感じが、人って難しいなあ〜と感じました。

体で覚えている行動パターンから急には離れられないものだな、と思いました。

・自分がまわりに対してどういうコミュニケーションをとっているのか、客観視できました。


また、象徴的だった感想として、「視点がコントロールできなくても言葉があればよいと感じた。」という一方で、「相手の視点に立つというのは分かったが、言葉で上手く指示ができなかった。」という声が聞かれたことである。どちらの感想においても、言葉とは、他者や他者の不確定性といったコントロールできないものを超える、あるいは、そういった人と人とをつなぐ機能をもっているものとして客観できるだろう。

このようなコミュニケーションにまつわる根源的な洞察をもたらす理由も、ここで体験する他者視点の体感というものが、人として根源的な体験であるからだと考えられる。そのような、他者との関係性における根源的な体験を通して他者との関係性を最適化するのが、このMPP2であるといえよう。

次回予告 MPP3~MPP5

これまで自己の視点、または他者の視点というどちらかの視点だけであったものが、次なるMPP3においては、自己と他者ともに共通する「三人称視点」を設定する。

このMPP3の階層になって初めて、「自我」「私」という存在への客観視が生まれることになる。

その客観視はを生み、日本特有の膨大な情緒語の世界を生むに至った。

そのプロセスのすべてを明らかにするMPP3とは、何か。

さらに、つづくMPP4では、目には見えないが私たちを取り巻くモラルや観念、組織といったものを動かすエネルギーというものの実相を看破し、MPP5では、その先にある自在性と重力の関係性について、最新の研究を交えながら報告する。